バタフライ・メィデン

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2004年 04月 12日 ( 1 )

フレンズ

a0013267_182132.jpgその頃私たちは20代の後半で、 互いのパートナー達が仕事にでかけた後、どちらからともなくマンションの2階と6階の互いの家をまるで別宅のように訪れては一日の数時間を一緒に過ごしていた。 知らない人からはよく 「姉妹ですか?」 と尋ねられた。
二人とも3匹の猫を飼い、パートナーは自営業、二人ともたまにアルバイトに出かけてはお小遣いを稼ぎ、自由になるお金で買い物にでかけ、帰ってくると一緒に夕食を作った。世間はバブルに浮かれていた頃で、私たち二人を悩ますものと言ったら、うまく育ってくれない観葉植物の育て方程度の軽いものだった。

私とパートナーが数年後に別れを迎えた後も、彼女とのつきあいは以前ほど頻繁ではなくなったものの、年に数回は顔を合わせていた。ただ、そこには以前の親密さはなく、互いを思いやる気持ちはあるものの、話題になるのは差し障りのない近況報告程度。二人の間の環境が以前に比べて変わり過ぎていた。
離別の後の数年間、私はバラバラに崩れたハートのかけらを探すのに忙しく、彼女の頑に固まってゆこうとする心の在り処に気が付かないでいた。
それはいつが始まりか分からない程、ゆっくりとした速度で始まっていたのだろう。彼女は仕事をしながら次の仕事のためにいつも何かの勉強をしていた。その内側では少女のような純真な好奇心があるものの、知識を学ぶことが彼女の最大の関心になってゆき、あたかもそれが人生の一大事であるかのよう。彼女の心は知識という固い鎧を幾重にも重ねてゆき、自分を守ろうとしているように見えてならない。

本当の彼女のハートは柔らかく、とても軽やかでいるのに、その鎧の重さに悲鳴をあげているような気がしてならなかった。
「ねぇ、もういいよ、お勉強はもう充分したでしょう。」
私の声が届くかどうかわからないけど、彼女のスピリットに向かってこう言った。
その時、それまでの彼女の口癖の「でもね、・・・」という言葉ではなく、「そうね・・・」と彼女はフッと吐息を漏らした。

ねぇ、ごめんね。
あなたの心が泣き出したいのをずっと我慢していたのに、私は長い間気が付かないでいたよ。あなたが泣き出したい時には私の肩を貸すよ。あなたがその柔らかな無垢な心を取り戻すまで、ずっとそばで見守っているよ。

東側のベランダからこの街中にも朝陽が昇ってきました。
生まれたての太陽はこんなに初なオレンジ色に染まっているのね。
大切なあなたに、この朝陽が届きますように。
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by momo_yukari | 2004-04-12 18:22 | スピリット